つい先日、息子が11歳の誕生日を迎えました。たくさんの方々に支えられ、また一つ歳を重ねられたことに、喜びと感謝の気持ちでいっぱいです。
どんなに立て込んでいても、この日ばかりは欠かさず家族でお祝いしてきました。食欲旺盛で、テーブルに並んだ手づくりのごちそうを、むさぼるように食べます。身長はぐんぐん伸び、走り出すと追いつくのがやっとです。
11年前、そんな光景を想像することはできませんでした。緊急の手術で、予定よりかなり早く生まれた息子の体重は658㌘。慌ただしくオペ室から運ばれ、一瞬だけ見えた姿はあまりに小さく、言葉を失いました。しかし、医療従事者の方々がNICU(新生児集中治療室)で3カ月間、懸命に治療してくださり、いのちをつなぐことができました。
順調に成長しているように思われましたが、なかなか言葉が出てきません。しばらくして検査を受けると、重度の知的障害を伴うASD(自閉スペクトラム症)だとわかりました。
すぐに受け入れられるものではありませんでしたが、目の前にいる息子が、私の考えを少しずつ変えてくれました。なぜなら、息子は明確に自分の意思があり、「もっと知りたい」「できることを増やしたい」「大人の期待に応えたい」と思って生きていたからです。
とはいえ、衝動的な行動から息子自身と周囲の人の安全を守ることや、強いこだわりに根気強く付き合うことは、時間も労力もかかります。疲れ果てた私の表情を見て、ときどき、「お疲れ様」とぼそっと声をかけてくれる、そんなやさしさこそ彼の個性です。
誰もが差別されず、尊厳をもって生きられる社会へ、今日も息子から学びます。

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