息子が先日、5歳の誕生日を迎えました。
身体も心もぐんぐん成長中の息子です。食事のときは「ニク!」「サカナ!」と求め、がっつり系ですが、野菜でも何でも好き嫌いなく食べ、牛乳も大好物。大人並みに食欲があり、外遊びも大好きです。
この1年間で12㌢も身長が伸びて1㍍を超えました。
まだまだ甘えたい年頃で、「だっこ!だっこ!」とせがみ、自分が連れていってほしいところに誘いますが、体重は軽いのでしばらくは抱き抱えられそうです。
明るく、よく笑い、マイペースなようで相手の様子や場の雰囲気をよく見ています。家族のなかでも、妻には遠慮のない甘え(絶対的な安心感ですが、受け止める方は大変)、私にはほんの少し遠慮して甘え、心細いときほど頼ってきてくれます。
少し前まで、会話を通じた意志疎通はほとんどできませんでした。それでも、教えた単語はすぐ覚え、私が話した言葉をしばらく後に口にしている様子を見て、その場での会話は成立していなくても息子の心に私の言葉は届いていると思えるようになりました。
それ以来、今まで以上に息子に気持ちを込めて伝え、反応を観察するように。そうしたなかで、散らかした物を「元の場所に戻してね」と声をかけると、自分で取り出した物を運び、片付けられるようになりました。
息子は寝る前に近所を眺めるのが好きで、私を窓際に誘います。つい先日、「今日はもう明かりが消えているね。お仕事や学校で頑張っていたのかな」と私が言うと、「おつかれさま~」と口にしたことには驚きました。思いやりの心が育っていることは何より嬉しい。
今から5年前、息子は658㌘で生まれました。
緊迫した雰囲気のなかで手術室から出てきた息子の姿に言葉を失いました。生まれた瞬間から死を意識せざるを得なかったのです。
毎日病院に通い、たたかう息子を記録し続けました。「この子が生きている証を残そう」と始めたことでした。そのときの動画を久しぶりに家族の誕生会で視聴しました。元気に歩き回る息子の姿と見比べると、思わず込み上げます。
「昔だったら助からなかったね・・」。そんな言葉が家族から漏れました。最新の医療技術と、医師や看護師のみなさんの献身的な支えがあったからこそ生きられた命です。
いま新型コロナウイルスの感染拡大が続くなかで、医療従事者の方々はリスクを抱えながら患者さんと向き合われています。それなのに、防護具も予算も足りず、経営危機に直面している病院もあります。
関所のようになっているPCR検査と、一時は崩壊寸前にまで陥った医療体制のもと、自宅で我慢した感染者が命を落としたり、入院できずに福祉施設で最期を迎えた高齢の感染者もいます。悔しくて仕方ありません。
財界のもうけを優先し、もうけにならない医療や福祉を削ってきた政治を今こそ変えなければ。
子どもも高齢者も、障害がある人もない人も、男性も女性もそうでない人も、すべての命を支える政治へ。分断ではなく連帯の社会を。
生きているすべての人に対し「お疲れさま」の気持ちを持って支えることこそ政治の役割だと、5歳の息子は私に教えてくれています。
[10回]
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