今日は…いや今日も、防衛局に申し入れに行ってきました。ここ3週間で3度目です。
一部のメディアで報道されましたが、沖縄に配備されている米軍の新型輸送機・オスプレイの訓練移転先として、防衛省は全国5カ所を候補地に挙げ、そのひとつに北海道大演習場(千歳、恵庭、北広島、札幌)も含まれていることが明らかになりました。
札幌・丘珠駐屯地で開かれた「航空ページェント」にオスプレイが飛来してからわずか10日間。警戒していたこととはいえ、オスプレイ飛来の真のねらいが、こんなにも早く明らかになるとは驚きです。
今日の申し入れでは、安保破棄道実行委員会のメンバーとして、道労連、道平和委員会のみなさんとともに、オスプレイの全国移転計画への抗議と、沖縄での配備撤回を求めました。
防衛局担当者の回答は「本省(防衛省)がオスプレイの訓練拠点整備を検討していることは承知しているが、防衛局としては場所等については承知していない」というもの。詳細を尋ねても、それ以上はとり合わないという姿勢です。丘珠駐屯地への飛来に際して、日本共産党として飛行ルートや飛行計画の公表などを申し入れしたときも、「主催者ではないからわからない」の一点張りで、誠実に回答しようとする意思は見られませんでした。こんな状況で、もしオスプレイが道内に配備されることになれば、道民はいつ、どこに飛んでくるかもわからないオスプレイの不安に脅えながら暮らさなければならなくなるでしょう。
オスプレイは、開発段階から墜落事故が相次ぎ、これまでに少なくとも36人もの死者を出している「欠陥機」です。さまざまな欠陥がありますが、そのひとつが、何らかの理由でエンジンが停止したときに緊急着陸するための「オートローテーション機能」を備えていない問題があります。
オスプレイの最大の特徴は、主翼の両端にあるエンジンの角度を変えることによって、「ヘリモード」と「航空機モード」、その中間の「転換モード」と3つの飛行モードに変えられること。私も航空ページェントに出向きオスプレイを見てきましたが、機体はずんぐりしていて、主翼の両端にプロペラがついているという異様な格好でした。このプロペラの翼が、展示されていた他のヘリコプターと比べても明らかに小さい。そのため、通常のヘリコプターのエンジンが緊急停止したときは、機体の降下で生じる空気の力でプロペラの翼を回して浮力を生み出し、緊急着陸するという「オートローテーション機能」を備えていないのです。
なぜ、そのような設計になっているのか――。米海兵隊が日本でオスプレイを配備するにあたって取りまとめた報告書では、オスプレイの特徴として、艦船への収納が容易で、艦船上からの離着陸も可能であることを挙げ、地球規模で遠征する能力を高めるために、日本中を訓練場として使用する計画を示しています。つまり、殴り込み部隊である強襲揚陸艦にオスプレイを搭載できるように、プロペラの翼は小さく設計されたのです。
乗務員の安全よりも、世界の支配。そんなオスプレイ運用の訓練に、道民の命が脅かされるなど、たまったものではありません。
ちなみに、日本の航空法では、オートローテーション機能を備えていないヘリコプターは飛行してはならないことになっています(航空法第11条)。しかし、安保条約に基づく日米地位協定で、米軍機は航空法第11条の適用が除外されているのです。対米従属そのものです。
今回のオスプレイ訓練移転をめぐる一連の問題を通じて、沖縄の人たちがどれほど米軍の訓練に苦しんできたか、その一端を垣間見ることができたように思います。沖縄の人たちも危険なオスプレイを全国に拡散することは願わないでしょう。オスプレイは沖縄にも、日本のどこにもいらない――。沖縄の人たちと連帯して、オスプレイの配備撤回、基地のない日本をめざして頑張ります。
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