今日の「しんぶん赤旗」一面には、私が感じていたことと同じことが書かれていました。
「NHKに今、何が?異常な秘密保護法報道/まるで政府報道官」
秘密保護法案が成立した6日夜、参院本会議で同法案の討論がされていました。
民主が討論を放棄、維新もみんなの党も退席し、態度表明をしないという状況のなかで、共産党の仁比聡平議員がひとり、圧倒的多数の国民の声を代弁して反対討論に立ちました。
まさに事態は緊迫していました。
このときの「ニュースウォッチ9」。まるで他人事のように淡々と経過を伝え、街の声も「賛成」「反対」「わからない」を「公平」に紹介、そして「同盟国アメリカと高度な情報を共有するために、秘密とすべき情報が漏れるのをなくすべきだというのは、多くの政党が共有しています」と男性キャスターがまとめました。
これにはさすがにカチンときました。
一国の進路が問われているときに、政府公報同然に垂れ流しする報道姿勢。NHKと言えども、看過できないと視聴者センターに電話し、「憲法に照らして、国が誤った方向に向かっていないかをチェックするのがNHKの役割だし、公平な報道だ」と厳重に抗議しました。
怒りも冷めやらぬうちに、次のコーナーに変わり、写し出されたのが「自衛隊の歌姫」。
内容は、海上自衛隊・東京音楽隊に所属する女性歌手が、東日本大震災の被災者に寄せる歌を唄うことへの葛藤を描いた特集です。冒頭の秘密保護法案のニュースと同じくらいの時間を割いていたと思います。
背筋が冷たくなる思いでした。
米軍の補完部隊として、一体化を深めている自衛隊。秘密保護法で自衛隊は、その関係をますます強め、戦争できる国へ向かいます。
もっとも、この女性歌手は、本当に被災者のことを思い、心を込めて歌っていることは理解できました。しかし、自治体や市民の音楽隊ではありません。海上自衛隊の音楽隊です。
いま安倍政権と自衛隊が向かっている方向を考えたとき、彼らがこの女性をどう活用しようとしているか―。ねらいは透けて見えます。歌声が美しいほど、恐怖に感じました。
ちなみに、この海自・東京音楽隊は、防衛大臣の直轄部隊です。
男性キャスターは特集の冒頭で、この音楽隊について、「国民に勇気や元気を与えるもの」と全面的に肯定しました。
「歌姫」の特集を放映しているころ、国会では仁比さんがちょうど反対討論を行っていました。国会前では寒さに耐え、国会を包囲していら人々がスマホやタブレットを手に国会のインターネット中継を視聴。「仁比さん、頑張れ!」コールが沸き起こっていたそうです。
国民の声よりも自衛隊の宣伝。
NHKの異常な秘密保護法をめぐる報道の背景には、安倍政権の息がかかった経営委員会の人選があるとの指摘もあります。
現場には良心をもった制作者もいるはずです。公共放送としての本来の役割を果たすよう、視聴者としてしっかり監視し、良い番組には応援していきたいものです。
(12月16日付けフェイスブックより)
[3回]
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