行動中、ふとライラックが目に入りました。
少し時間があったので近づいてみると、風に乗って甘い香りが漂いました。よく見ると忙しそうに蜜を集めるミツバチの姿も。
時間に追われる生活のなかで、自然の営みに目を向けられるのは、まだ心に余力がある証。そんな自分にちょっと嬉しくなります。
札幌で生まれ育ち、働いてまもなく半世紀を迎える私にとって、ライラックは元気を与えてくれる特別な存在です。
ちょうど今が見頃で、大通公園と川下公園を会場に「ライラックまつり」が行われています(いずれも5月31日まで。川下会場は30、31日の2日間)。
1960年、人口が50万人になったことを契機に「札幌の木」に選ばれたライラックですが、1890年に北星学園の創設者であるサラ・クララ・スミスさんが、故郷アメリカの自宅から苗木を携えてきたのが始まりといわれます。
ライラックまつりのオープニングセレモニーで、北星女子高校の生徒さんが苗木配布のお手伝いをしているのはそのためです。
スミスさんが、その苗木をスミス女学校(北星学園の前身)と北大植物園に植えたのが、札幌のライラックの起源。現存する札幌のライラックで最古は北大植物園のもので、樹齢130年を超えています。
一方、スミス女学校に植えられた木は、戦時中、「敵国の木」ということで伐採されてしまいましたが、1994年、北大植物園の母樹から一部を分譲移植され、現在も北星女子中高校の敷地で大切に保存されています。
ちなみに、戦時中は異端とされたライラック(モクセイ科、ハシドイ属、ムラサキハシドイ)ですが、ライラックの仲間であるハシドイ(アイヌ語でプシニ)やアオダモなどは、もともと北海道でも分布していました。
私たち人間も、違いを強調するよりも、共通点を見出だして仲良くしていきたいですね。
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