北海道大学名誉教授で、今月発行された『北海道の守り方』(寿郎社)の著者でもある太田原高昭先生(農学博士)のお宅を訪れ懇談しました。
包み込むような笑顔で出迎えてくれた太田原先生。TPP(環太平洋連携協定)や戦争法廃止の国民連合政府などについて、話しが尽きることはありませんでした。国民連合政府の提案について「この大義に反対することはできないですね」と太鼓判を押していただき、TPPの問題でも「たたかいはこれから」との認識で一致。「森さん、(参院選は)チャンスですよ。頑張ってください」と熱い激励もいただきました。
今月は紙智子参院議員とともに十勝地方での酪農・畜産・畑作調査にも同行しました。
食料自給率1100%。『農業王国』の十勝では、農業の生産性を上げながら関連産業も増やし、地域を活性化させてきました。それは一朝一夕で成し遂げたものではなく、農民の血のにじむような努力がありました。ある町長さんは訴えます。「国は『攻めの農業』をと言うけれど、安全な食料を国民に提供することが農民の誇りだ。国は将来の食料自給の姿を示してほしい」。食料は「攻める」ものではなく、国民の命を「守る」もの――。この原点を忘れて、アメリカと多国籍企業のもうけのために、農業も国の主権も売り渡す安倍政権は「亡国の政治」です。
安倍政権は農業予算で“国内対策”をやるといいます。しかし、ガット・ウルグアイラウンド(1986年に始まった貿易交渉)のときにも6兆円のばらまきを行ったけれども、食料自給率は39%まで下がりました。“国内対策”で農業を守れないことは農民のみなさんが痛いほど知っています。
今世紀中に世界の人口は90億人に達すると予想されています。食料が足りなくなってから焦っても遅い。幸い日本には、豊かな土壌と蓄積された農業の技術・経験があり、地に足付けた家族経営がこれを守り続けています。太田原先生は近著のなかで「小規模家族農業が小規模家族農業のまま近代化し、生産力をアップした国は日本しかない」と指摘しています。世界に誇る日本の農業を壊していいのか。
JA北海道中央会の幹部のみなさんとの懇談でも「やっぱり食料安保が大事」だと意気投合しました。農地の集積や大規模化のための予算ではなく、再生産可能な価格保障を重視し、家族経営をはじめ農業を続けたい人、やりたい人すべてを応援する農政への転換が必要です。
「安心・安全の食料は北海道から」。輸入自由化路線と決別し、国民の食料は自国で生産できる国にしていきましょう。TPPへの参加は論外です。
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