自然災害が人々の暮らしを脅かしかねない―。そんな思いを強くした台風被害調査でした。8月26、27日の2日間、畠山和也衆院議員、紙智子参院議員、宮川潤道議、菊池豪一、熊谷裕の両北見市議、杉山勝雄・美瑛町議、米沢義英・上富良野町議らとともに上川、オホーツク管内で調査を行いました。1シーズンで3つの台風が上陸した北海道。1951年に統計を取り始めて以来、初めての出来事に道内各地で激震が走っています。
調査団はまず上川管内に入り、美瑛町の東部、辺別(べべつ)川の9線橋崩落現場を視察しました。大きく蛇行した所に架かる同橋。強い川の流れで護岸ごとえぐられ、崩落したままです。町職員によると、仮復旧まで2~3カ月、全面復旧までは5~6カ月かかる見通しとのこと。同町では4つの橋が崩落しています。
農業被害は深刻です。26戸が営農する置杵牛(おききねうし)地区では、約7割の水田が冠水。視察した現場は流木が残り、一部は土砂で覆われていました。
美瑛町では8日間で457㍉の雨を観測。町職員はいいます。「1981年に3日間で180~190㍉の雨が降ったことがありますが、こんな雨は初めてです。美瑛川が氾濫していれば市街地もやられていた。(復旧のために)国には激甚災害の指定をお願いしたい」。
農業被害は上川全域に及んでいます。5市町村を管轄するJAふらのでは、玉ねぎやスィートコーン、トマトなど少なくとも530戸で3億8,500万円の被害が判明しています。爪痕は大きく、川沿いの畑は泥にまみれ、流された玉ねぎや倒伏した水稲がそのままになっていました。調査に同行された植崎博行代表理事組合長は「削られた農地の復旧と河川の改修が必要で、支援をお願いしたい」と、こわばった表情で話しました。
翌日は北見市での調査で、同市常呂町へ。移動する車中、調査団は何度も驚きの声を上げました。泥だらけの畑が続き、水が引かないところも残っています。畑に近づくと、腐敗した玉ねぎの臭いが漂っていました。「もったいない・・」。畠山、紙の両議員が口をそろえて言いました。
北見市や周辺の自治体では、これまでの1カ月最大の降水量を超える雨量を、わずか9日間で記録。常呂川水系の堤防が決壊し、広範囲に畑が冠水しました。収穫前の玉ねぎやジャガイモ、ビートなどに甚大な被害が発生しています。
「常呂川の存在が肥沃な土壌を生み出した」と指摘する北見市常呂自治区長の辻孝宗(たかとき)さんは、100年かけて堤防を築き、開墾してきたと説明します。「若い人の営農意欲が高く、せっかく育ってきていたのに、『もうここで暮らせないのでは』との不安も広がっています。早期の復旧と堤防のかさ上げとともに、若い人が困難に打ち勝ち、来年も営農できるよう希望を持てるようにしたい。そのためには、みなさんの力が必要です」と、支援を求めました。
オホーツク管内では一連の台風で、のべ2,200㌶に影響。札幌ドームに換算して415個分にものぼります。畠山和也議員は「農家のショックは大きいと思います。国が緊急かつ抜本的な対策を行う必要性を感じました」と語りました。
世界中で異常気象による大規模な災害が発生していますが、日本もまた例外ではありません。未曾有の災害が続けば、その地域での暮らしが成り立たなくなります。農家のみなさんをはじめ、今回の台風で被害に遭われた方々が立ち上がることができるよう、実情に応じた復旧・復興対策を急ぐとともに、災害の発生を抑え、被害の拡大を防止する防災対策への転換が必要です。
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