北朝鮮が8月29日朝、弾道ミサイルを発射したことについて、不安や怒りとともに、安倍政権の対応やマスコミへの疑問の声も広がっています。
大前提として、弾道ミサイルの発射は断じて許される行為ではありません。度重なる国連安保理決議や6カ国協議の共同宣言など国際的な取り決めに違反する行為であるだけでなく、宇宙空間と言えども日本列島の上空を飛び越える発射(今回で5度目)は挑発的で危険も伴います。
問題はどう解決へ導くか。万が一にも戦争に発展させないためにどうするか、ではないでしょうか。
各国の努力方向は一致しつつあります。アメリカも軍事一辺倒ではなく、対話の道を模索しています。
マティス国防長官とティラーソン国務長官は、これ以上の軍事挑発を行わないことを条件に「米国は北朝鮮と交渉する意思がある」と表明。これまで米国政府が「非核化の意思と行動を示すこと」を条件にしていたことと比べて、大きくハードルを下げました。
さらに、韓国も文在寅(ムン・ジェイン)大統領も同様の発言を行うとともに、ロシアや中国も対話を呼びかけています。武力衝突を回避し、緊張を緩和するための当然の努力方向です。
こうしたなかで、安倍政権の対応は異様です。安倍首相はミサイル発射後のトランプ米大統領との電話会談で「北朝鮮に対話の用意がないことは明らかであり、いまは圧力をさらに強めるとき」だと語り、軍事的圧力を強める考えです。
砲撃を予告していたグアムではなく日本周辺に発射したことについて、「北朝鮮が少しひるんだ」と無用の挑発発言を行った河野太郎外相も「非核化の意思と行動を北朝鮮が出すまでは圧力の時」と、以前の米国政府の見解を示しています。
国際社会が経済制裁を厳格に実施し、強化することは重要ですが、対話を引き出すためのものでなければならないし、そのことを北朝鮮に伝えることが必要です。とりわけいま求められているのは、危機打開のために米朝が無条件での直接対話に踏み出すことです。
軍事的対応で国民を守ることはできません。そのことが今回のミサイル発射であらためて浮き彫りになりました。
そもそも精度そのものが疑問視されている迎撃ミサイルですが、高高度を飛ぶミサイルを撃ち落とすことはできません。
政府は「Jアラート(全国瞬時警報システム)」を発動し、いっせいに携帯電話などで避難を呼びかけたけれども、建物に避難したり、頭を抱えたところで身の安全を確保できるはずがありません。
一方、官邸は事前に弾道ミサイル発射の兆候をつかんでいた可能性が指摘されています。ならばなぜ、事前に国民に知らせて「避難」させなかったのでしょうか。北朝鮮が日本をターゲットにミサイルを発射する意思がないと判断したからではないのか。
いたずらに危機と不安を煽り、対話の道を閉ざすのではなく、国際社会と協力して、どんなことがあっても軍事衝突を回避する-。このことこそ、政府が果すべき一番の役割であり、憲法9条を持つ日本が何より大切にすべきことです。
先週から今週にかけて私は、札幌の南区、西区で活動し、屋内外で訴えています。
西区では田中啓介市議と「日本共産党を語る集い」に参加し、南区では畠山和也衆院議員や千葉なおこ市議予定候補と「日本共産党 ふれあいまつり」で市民のみなさんとの交流も。
「ふれあいまつり」でひときわ大きな拍手が鳴り響いたのは、民進党の岩崎道郎市議のメッセージです。
岩崎市議は、改憲問題に触れたうえで、「南区においては、憲法の平和主義、国民主権、人権を守るという基本的な考え方について、心を一つにする市民のみなさんと野党がより連携を強め、これまで培った信頼関係のもと、共に声をあげていければ、何より心強い」と、市民と野党の共闘の発展にむけた決意を表明。
呼応するように、市民と野党の共闘を求める1区の会の加賀谷義治事務局長も、引き続き安倍政権の打倒へ、市民と共産党、民進党が「共同して運動を進める」とメッセージで表明されました。
人類の英知であり、平和を求める人びとの道しるべである日本国憲法を国民の手に取り戻し、生かす国づくりへ。これからも揺るぎなく、野党と市民の共闘の歩みを進めたいと思います。
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