全国から日本共産党に寄せられた北海道の台風災害の救援募金目録を届けるため、被災した自治体を先週、訪れました。上川管内の南富良野町と十勝管内の新得町、清水町、芽室町、足寄町、本別町の6自治体で、党道委員会の千葉隆書記長、佐々木とし子衆院小選挙区道11区候補らと訪問。一連の被害から3カ月が経過しましたが、復旧・復興は道半ばで、今後の教訓も浮き彫りになっていました。
寄せられた募金の総額は、308万9052円です。全国のみなさんのお気持ちに胸がいっぱいです。救援ボランティアで活用した分を除き、上記の6町に全額を届けました。
最初に訪れたのは、堤防が決壊し、町の中心部を含めて広範囲に浸水した南富良野町です。被災した直後に訪れたときは、町役場の玄関先まで救援物資の段ボール箱が積み上げられ、職員が受話器にかじりついて町民からの問い合わせに応じていましたが、今回の訪問では一見すると平静さを取り戻しているように見えました。
久しぶりの再会となった池部彰町長は、募金への謝意を述べるとともに、金山ダムが防災の役割も果たせるよう、ダムの底の掘削と強化を訴えました。さらに、「心労で苦しんでいる町民も多い」と心のケアの必要性を述べました。
同じことを語ったのは清水町の髙薄渡町長です。「人間だから心が病む。どう回復させるかが課題だ」と語ります。河川の氾濫で24の橋と80カ所の道路が被害を受け、職員の住宅も濁流に流されました。1級河川への格上げを訴えています。
「こんな災害は私たちも経験がない」。芽室町の宮西義憲町長は、計画高水位(堤防が耐えられる最高の水位)が本州より低く、築堤の強度も弱いことを指摘し、「かつて国がつくった基準を見直してほしい」と要望。農地の復旧限度額の算定基準が本州より大幅に低いことについても改善を求めました。
本別町の髙橋正夫町長は「災害査定には期限があるが、柔軟に対応してほしい」「現状復帰が原則というが、それ以上の場合も災害復旧の一環として認めてほしい」と、同じ災害をくり返さないための復旧工事の必要性を強調しました。
「農家は来年の営農への不安が大きいと思う」と農民の思いを代弁した足寄町の渡辺俊一副町長は、夜間に避難する難しさを指摘。早い段階で自主避難を呼びかけた経験を語り、堤防を超えて河川が氾濫したことから、堤防のかさ上げを求めました。
新得町の担当者も、夜間に避難する難しさを語るとともに、「道管理の河川が溢れるとは」と当時の思いを振り返り、道から事前に連絡がなかったことを明かしました。
ところで、被災地を訪問したのは、JR北海道が大幅な事業見直しを発表した直後でした。見直しによって根室本線がなくなり、町から駅がなくなる可能性がある南富良野町の池部町長は、「JR北海道の発表は絶対におかしい。道もJR北海道一社に任せておいていいのか。JRと沿線の市町村だけの話し合いに任せてよいはずがない」「上下分離を言うなら、『下』は国であるべきだ」と、怒りをあらわにしました。
本別町の髙橋町長も憤りを隠しません。「かつての『ふるさと銀河線』と同じ構図だ。『ふるさと銀河線』も当初、基金を積み運用益も含めて運行資金にあてていたが廃線になった。(今回のJR北海道の発表は)JRの赤字とは別問題だ。(鉄路の存続にむけて)『オール北海道』で声を上げなければならない」。
災害の復旧・復興のみならず、地域を守り、力を引き出すための国の役割はますます重要です。
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