森つねとカーに乗っていただいた女性から別れ際、声をかけられました。
「私、嫌な思いをして‥。これ読んでいただけますか」
そういって、1通の封筒を渡されました。
そこには、3通の便せんにびっしりと、自身に起きたことが書いてありました。
この女性は生活保護を受けています。
ある日突然、福祉事務所の職員が訪れて、この女性に対する「密告」があったことについて、伝えてきたというのです。
「しょっちゅう出歩いて、リッチな暮らしをしている」
根も葉もない噂です。
500円の収入でも申告していたのです。
この女性は、他人が恐くなり、10日近くの間、カーテンを閉めたきり、家から出られなくなってしまいました。
手紙の字は、お世辞にも、 きれいな字とは言えませんでした。
3枚目まで読んで、その訳がわかりました。
手に障がいを持っていたのです。
ひき逃げ事故に会い、障がい者に。
それをきっかけに、家族の歯車が狂いだしました。
ひとりで子どもと老いた母親を懸命に支えてきた女性。
決して多くはない生活保護費も「情けない気持ち」で受け取っているといいます。
それに追い討ちをかけるような、心ない「密告」。
涙も出ないほど、ショックを受けたといいます。
「みんなが不正受給しているように思ってほしくない」
お笑いタレントを使った「不正受給」キャンペーン以来、同じ国民同士で生活保護受給者を監視するような風潮が出てきました。本当に悲しい。
しかし、無理もありません。
本来、生活保護を受ける条件がある人が、実際に受給している割合=捕捉率は、2割程度にとどまっています。
多くの人が、ぎりぎりのところで生活している。
そこにつけこんでの、政権党による分断攻撃です。
さらに、多くの野党もこれに荷担していることが悔しい。
年金も、賃金も下がり続けています。
自民党政治の失政の結果です。
これを棚にあげて、生活保護を改悪する卑劣なやり方は許せない。
生活保護制度は、「ほどこし」でも、「商品」でもありません。
憲法25条で定められた、国民の権利です。
生活保護制度を守れ!
[9回]
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