道内各地に大きな被害をもたらした台風10号の到来から1週間が経ちました。
行政と関係機関、ボランティアが懸命に復旧作業と被災住民への支援を行っていますが、いまだに自宅に帰れない住民も残されています。被災した翌々日に現地入りし、畠山和也衆院議員、紙智子参院議員、真下紀子道議らと調査。南富良野町(上川管内)の状況に続き、十勝管内の清水町、芽室町、新得町の様子をお伝えします。そこには身を粉にして住民の要望に応える自治体職員の姿がありました。
う回路を経由して訪れた清水町。町長にお会いするため役場庁舎前にいると、あっという間に持っていたスマホに砂ぼこりが付着しました。目の前の道路にも土砂が残り、一部の道路は通行止めになっていました。
「よもや川が氾濫するとは・・。役場前も川のようになりました。住民のみなさんは心の準備がなく、不安でいっぱいでした」。髙薄(たかすすき)渡町長は緊迫した状況を振り返ります。ペケレベツ川が氾濫。国道が分断、橋が次々崩落し、走行していた車が転落しました。2名の方が行方不明のままです。ペケレベツ川は、川の流れが変わるほど川岸が削り取られ、複数の住宅が倒壊していました。
現在も3,000世帯で断水が続いています。断水の影響で食品加工の工場が稼働できないほか、酪農・畜産にも影響が。「3,000頭の十勝若牛のうち、2,000頭近くに水が供給できなくなっている」と述べ、タンクや発電機の不足をあげました。
不眠不休で陣頭指揮をとってきた町長を含め、職員の方の表情には疲れが色濃くにじんでいました。「職員は頼りにされますが、矢面に立たされるのも職員です」。自ら被災しながらも懸命に町民の要望に応えてきた町職員。一方、国の機械的な対応に不満が募ります。
「災害が起きたときには、市町村と国の垣根をなくしてほしい」。国が支援する『全壊』と判定されなくても住めない住宅があることや、コミュニティバスを臨時に走らせたくても、許可が下りるまで時間がかかったことなどを指摘し、被災自治体の実情を考慮した国の対応を髙薄町長は求めました。
18万冊近い蔵書で町の「誇り」だった図書館も水に浸かり、半数の書籍がだめになってしまったといいます。「もう1回台風が来たらアウトだ」。町長の言葉がすべてを物語っていました。畠山議員が「何よりもお体を大切にされ、ご要望をお寄せください」とねぎらいました。
調査団は新得町や芽室町にも足を運びました。
新得町ではJR新得駅の目と鼻の先にあるパンケシントク川が氾濫し、JR根室線の鉄橋が橋げたごと流され宙吊りに。札幌と帯広、釧路を結ぶ特急列車が走る幹線で、JR北海道は同区間の運行再開は12月以降になる見通しを示しています。2,700世帯が断水で、炊事や洗濯、入浴などあらゆる面で生活に支障をきたしています。
芽室町でも芽室川の氾濫で約100世帯が浸水。大人の胸の高さまで水が上がり、212人がボートで救出されました。「30年いて、こんなの初めてだ」。床下が浸水し、後片付けに追われていた男性は驚きます。車も水に浸かり、使えなくなってしまいました。ストレスが溜まるなかで、些細な一言で夫婦げんかする場面も。
農業にも大きな被害が発生しています。齊藤明彦副町長は「イモや麦の収穫できなければ、来年の作付けができなくなる」と指摘。農作物の表面に問題がなくても中が腐っていることもあり、出荷の見極めも難しいと述べました。
道は一連の台風による被害総額は955億円にのぼると公表(激甚災害申請対象分のみ)。全体では1,000億円を大きく超える見通しです。暮らしと産業を守るために、引き続き調査活動を行い、復興に向けた取り組みを強めていきます。
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