【9月16日午後7時46分・SNS発信】
今回の地震で痛感したのは、災害弱者の対策の脆弱性です。
地震発生の翌日7日、道難病連を訪ねました。閉館していましたが、窓から声が聞こえました。
「森さん、聞いてよ。酷いんだよ・・」
代表の女性の悲痛な声と表情から窮状を察しました。紙智子参院議員と、はたやま和也前衆院議員も別ルートから連絡・訪問しようとしていることがわかり、相手に負担をかけないよう時間をおいて一緒に再訪しました。実態は想像以上でした。
道難病センターは宿泊施設も併設し、難病患者が安心して利用できるトイレやお風呂もあります。地震発生当時、12人の難病患者らが宿泊していました。そのなかには透析患者やオストメイト(人口肛門・膀胱の保有者)の方も。
道難病連の代表は自身も「脊柱靭帯骨化症」の難病患者でありながら、地震の直後から事務所に結集。難病患者の支援に取り組みました。
しかし、停電し十分な食料もないもとで、難病患者を施設に受け入れることはできません。札幌市に相談すると、「資生館小学校か二条小学校に避難を」との返答。
代表が同行して資生館小学校に行ってみると、人混みでとても難病患者が過ごせる環境ではありませんでした。やむなく、比較的避難者が少なかった二条小学校に避難させました。
少しでも食料を確保しようと地震の後、支援者の協力で3時間以上かけてコンビニから食料を調達。しかし、必要としている難病患者に配分すると、すぐに足りなくなりました。そのことを道に電話で相談し食料の提供を求めると、「担当ではない」と返事が返ってきたといいます。
「(難病患者から施設に)『泊まれませんか』と問い合わせがありますが、断るしかありません。我慢している人がいるんです。トイレもある。なのに、どうして助けられないのか。行政の人がいれば、泊まってもらうことができるのに・・」
「行政の人は、事務的に電話で(実状を)尋ねるのではなく、まず来てほしい。私たちも自助努力をしているのに、あまりにも冷たいのではないか」
やるせない思いが溢れました。
札幌市では大規模な災害が発生した場合、高齢者や障害者ら要配慮者を含めて一般の避難所(小・中学校の体育館等)にまず避難することになっています。
そのうえで災害発生から3日後をめどに福祉避難場所を開設することにしていますが、実態にかみ合っているか検証が必要です。高齢者らが避難所に避難できない実態もありました。
さらに、人工呼吸器を必要とする患者への支援は比較的早かった一方、透析患者の対応は各病院で苦慮しました。
今度の地震で札幌市民は、長引く停電に苦しみましたが、全市的な断水や火災、大規模な建物の崩壊はありませんでした。より深刻な災害が発生することも視野に入れながら、道も市も今度の地震対応を総点検し、すべての市民の命が守られるよう防災対策を抜本的に強化する必要があります。
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